尾根を吹き抜ける流れのデザイン
この建物の敷地は、麻布台地の古くからの尾根道に立地している。尾根=リッジ(RIDGE)は空間のポテンシャルの高い地点であり、リッジのつくる小高い丘は街のビューを提供する。尾根道は計画地で澱み、S字カーブを描く。そこに立つ建物は、法的規制という目に見えない制約に外形が削られていき、その結果、ティアドロップ型の平面をもつタワーを生み出した。その平面は、この澱みに起こる流れをイメージさせる。その流れを立体的にファサードで表現する。それはまた尾根を吹き抜ける風を表現したものでもある。