富岡製糸場の玄関口にふさわしい
駅舎空間
…世界遺産のイメージを伝え、期待感をあふれさせる建築
・この駅舎を訪れる人々に製糸場とその周辺の情報を知識として提供するだけでなく、そのイメージを伝え、体感させることによって、世界遺産の街への玄関口にふさわしい、期待感をあふれさせる空間をつくる。
□代表する二つのイメージ(赤レンガとシルク)で駅舎空間を構成する
・富岡製糸場の外壁を構成する赤レンガと製糸場で紡ぎだされるシルク。これらはいずれも自然や生命の温もりを伝えるとともに、それらを作りだした人々の生き生きとした情熱を感じさせている。
・駅舎の外壁は赤レンガ調のタイルを素材としたルーバーで構成し、製糸場の赤レンガのイメージを伝える
・ヴォールト屋根を覆う膜素材を透過する太陽光は、乳白の、柔らかい光で駅舎を利用する人々を包み込む。それはまさしく製糸場で紡ぎだされるシルクに抱かれたイメージを伝える空間である。
駅を中心とした人に優しい地域拠点
…新しい価値観を持った街の中心を作る
・大震災を受け、従来のエネルギー消費型社会からの転換が急務であり、それを踏まえて光や風、緑といった自然環境の持つ価値を改めて見直すとともに、人間社会や環境に対する柔軟さや優しさ、文化や歴史などへの配慮等を最優先する新たな価値観がいま求められている。
・このような価値観によってつくられる空間は、自然に溢れた人に優しい環境を生み出す。そこでは公園の散歩や日向ぼっこなどの空間体験や様々な文化活動が誘発され、コンサートや展示会、結婚式や祭典など、人々の活発な交流の場が生まれる。