コミュニティ再生の必要性
伝統的コミュニティの崩壊により、互助精神・互助行為も希薄化し、人と人とを結び付けてきた基本的な連帯感が失われ、様々な社会問題が生まれている。その一方で「好みの縁」でつながる「好縁社会」が広がりつつあるが、それも表層的な共同体が多く、持続的で結束力の強いコミュニティ再生にはつながっていない。
こうした状況の中で、コミュニティ再生の必要性が強く求められている。その手掛かりとして「好みの縁」でつながり、長期に安定した連帯感のあるコミュニティをつくるための新たな提案を本計画で行なう。

伝統的コミュニティ(互助社会)の
崩壊と様々な社会問題の発生

より良いコミュニティを形成する基本は、他者に対する「共感」と相互信頼によって人が助け合う精神を生み出す事にあり、ユイ(結)、モヤイ(催合)、テツダイ(手伝)で代表される互助精神・行為は日本の伝統的な社会コミュニティの基盤だった。
社会や経済の枠組みの変動により、上記のような日本の伝統的コミュニティは崩壊したと言われて久しい。(それに伴い互助精神・互助行為も希薄化した。)
その結果、個人個人がバラバラで、それぞれの利益・欲求の追求に走るとともに、個々人を守ってきた社会的なセーフティネット(地域社会や会社の終身雇用制度など)の崩壊が、様々な社会的な弊害、問題を引き起こしている。