佐世保市は、「心やさしい海辺のまちへ」をキャッチフレーズに、隣接する駅を含めた再開発事業に取り組んでいる。市の中心に位置するこの地区の中で比較的早期に建設が予定されているこのターミナルは、プロジェクト全体をリードするようなデザインを求められた。

緩やかな起伏を持つ人工の丘陵をつくる
建物の形状は、港に迫る山並に呼応するように緩やかな起伏を持つ人工の丘陵とした。屋根は軽量の薄層土壌基盤により緑化し、市街地から見渡した時、緑の少ない港湾に緑視率の高い建築を提供する。丘陵の頂上部は、展望スペースをなっており、周囲に広がる山並みと、海の眺望を楽しむ事ができる。また、建物の南東側は、全面吹き抜けとし、施設のどこからでも海を望む事ができるようにした。

建築内に光と緑を持ち込む
ガラススクリーンで囲われた緑が屋根を貫通し、2階や1階部分に配置され、待合や官庁スペースに光と緑のある空間を作り出している。また、この緑は建物外周のガラスのカーテンウォールを通して、海や遊歩道からも望む事ができる。

遊歩道との一体化
南東側岩壁や周囲の遊歩道と呼応し、全面カーテンウォールのオープンな空間として内外の一体化を図り、人の出入りも活発にできるようにしている。また、施設内のカフェ等のオープンテラスを岩壁の遊歩道に展開できるようにしている。