公開コンペ 入選

変革の波…少子・高齢化、グローバル化、ソフト化
21世紀を目前に控えた今、私達は大きな変革の波にさらされています。少子・高齢化の波、グローバル化の波、コンテンツ(ソフトの中身)に価値を求めるソフト化の波などです。そしてこれらの変革の波の中で、私達の社会も大きく変わろうとしています。

職縁社会から好縁社会へ
日本の社会は、高度成長期に地縁社会から職縁社会へ移り変わったといわれています。そして今、長引く平成不況とグローバル化の波の中で「職縁社会」が崩れつつあり、これからは、「好みの縁」でつながる「好縁社会」になるといわれています。
「好み」でつながる人々は、時間や場所にこだわりません。それにかかるコストにもこだわりません。
「好縁社会」では、どんな小さなもの、些細なものにでも価値が生まれ、集客力や産業化、活性化の資源となる可能性があるのです。

中里村の難問を打開する鍵…グローバル化、ソフト化
少子・高齢化の波は、日本全体を包む大きな流れであり、課題であると同時に、中里村が直面する最大の問題でもあります。
この少子・高齢化という現実に対し、残る二つのグローバル化、ソフト化の波は、この難問を打開する契機を中里村に与えてくれる可能性があります。

「好み」による資源の発掘とコンテンツ化
「好み」という視点による発想の転換により、様々なものが“資源”となり得ます。
日常的なもの、多くの人々にとっては価値のないものなど、物理的なものに限らず、人そのものや人々の活動等もその対象となります。
そしてこの“資源”をどうすれば有効にアピールできるのか、村人はどう関わるのか、恒常化するにはどうすればいいのか、といった方法を模索し、ソフトの内容を価値あるものにする事=コンテンツ化が重要となります。

グローバル化による人の流れの発生
“資源”は中里村という場所につながったものです。「好みの縁」でつながった人々は、時間や場所、コストにこだわらず、どんな遠くに離れた人であろうと、この場所へやってくる可能性があり、人の流れが生まれます。

「楽市」の形成
中里村に集まる人々は、さまざまな「好み」、目的をもって集まってきます。自由に参加し、自由に交流することができる、そして村人をも巻き込んだ、まさに「楽市」とでもいうべき“市場(いちば)”が形成されるでしょう。「楽市」の誕生は、村のポテンシャルを高め、新たな産業への発展、若年人口の流入へとつながる可能性を持っています。

場所の力と記憶の創生
「楽市」はその開かれた場所に力を与えます。力を与えられた場所が、永続的に維持されていくと、それは人々の記憶へとつながっていきます。未来へ向かって場所の力と記憶が創生されていく、そのようなプログラムとして今回の提案を行いました 。