複雑化する社会・深層化する芸術
高度情報化、価値観の多様化等により、社会は複雑化の度合いを高めている。
人々は圧倒的な情報量と複雑な相互関係の中で、ともすれば流され、自分の居場所を見失い、周囲に埋没しかねない状況にある。そうした中で人々が芸術に触れようとするとき、バーチャルな創造活動の出現など、芸術そのものも多様化し、深層化の度合いを深め、わかりにくく、理解しづらくなりつつある。

美術館の役割
こうした状況のなかで美術館の役割は、芸術の門戸を広げ、芸術への理解を深め、より多くの人々に親しまれるとともに、気軽に参加できる場を提供することと考えた。


深層化する芸術を垣間見せる視点 … プレビュー
多様化、深層化する芸術に対し、より広く、より容易に概観できるようにするため、それらを要約し、垣間見せる(“プレビュー” する)視点を美術館の各所に設けた。施設を貫通する1本の通路、それは人々が芸術を垣間見ながら散策するプレビューデッキである。

自然と向き合い、自然と対話する美術館
あらゆる場(鑑賞、創作、情報、憩い、等々)において、自然と向き合い、自然と共に対話のできる美術館を提案する。

自然を積極的に施設環境に取り入れ、芸術が周囲の自然に溢れ出していくような構成とした。