公開コンペ 入選

創作の場、発表の場としての舞台を用意
創作をはじめるという行為は、観客席から立ち上り、舞台への階段に足を踏み出す行為に似ている。
傍観者の立場から積極的に舞台にあがって創作活動をおこなう、舞台の上は「創作の場」である。
また、舞台は「発表の場」でもある。作品を発表し評価を受けることによって、その創作行為が単なる体験から真の創作活動へと道を広げていくのである。
センター施設は、このような活動の「舞台」を集約し統合する「マザーステージ」である。

森の上に浮かぶ舞台=
自然に近付きながら、また自然と一線を画した共生する施設

このマザーステージとしてのセンター施設を、まさに「森」の上に浮かぶ「舞台」として構想する。
55m×55mの正方形の「舞台」を、谷に下り降りる斜面の、木々の梢の上に浮かぶように配置する。それは、自然保護のため湿地帯などに渡される遊歩道(ボードウォーク)のように、最小限の柱によって大地から支えられている。

マザーステージは、人々が寄り添い棲息する空間を生み出す
下り斜面の大地とマザーステージに挟まれた空間は、雨や雪を遮り、風が適度に通り抜ける半屋外の空間である。そこは、大海に浮かぶ海草のかたまりに様々な魚介類が寄り添う"藻場"のように、大地に生きるいきもの=人間たちが寄り添い、棲息する格好の場所である。そして人々が集い、音楽や演劇などの活動が行なわれる野外ステージ(アートスペース)となる。