外国人が日本の伝統文化を求めてくる街-浅草
浅草は外国人が東京を訪れるとき必ずといっていいほど訪ねる観光地である。それは歴史的建造物が立ち並ぶ京都・奈良とはまた一味違う、浮世絵・ゲイシャで馴染み深いエキゾチックで異質な日本の伝統的な庶民文化を味わえる街として人気を呼んでいるのである。
しかしインターネットの普及による情報化社会の中で、いままでのような紋切り型の日本のイメージだけではなく、もっと奥の深い日本の文化を味わえる街として浅草の良さを見せる必要がある。

浅草からの発信―GEISHA TOWN
従来の「日本」のイメージの代表であったサムライとゲイシャ。これらは日本人のエキゾチックさや異質さを象徴するものとして捉えられてきたが、いまやリアリティを持ったあたらしいライフスタイルとしてこれらを捉えなおす見方へと変化してきている。
特にGEISHAは、すでに世界を席巻して久しいアニメやゲームなどの日本のサブ・カルチャーが、実は日本の深い伝統に根ざす慣習や芸能に基づいていることを改めて示すとともに、わび、さびとして知られる日本の伝統美が、絢爛豪華な一面を持つことを示すものとなる。
このようなあたらしいライフスタイルとして捉えなおされたGEISHAの姿を世界に発信する場として「浅草」はもっともふさわしい。それは「浅草」がつねに時代の先進性を捉えたエンターテインメントを発信し続けてきた地であること、そしてなにより、芸者の文化の歴史をより深く体現してきた街だからである。
GEISHA TOWNは、そうした伝統と先進性を持った女性のライフスタイルのあらたな提案と、変身願望、未知なる世界の探求という欲求を満たすものとして、またあらたな日本の伝統美の再発見の場として提案する。それはエンターテインメントの伝統と先進性をまたあらたに浅草の地に付け加えるものとなる。