この都市は,多くのクリークを利用した農耕と水運によって発展してきた。しかしながら、近年の産業の急激な発達,人口の流入等による都市のスプロール化によって、こうした特徴ある文化と伝統は急速に失なわれつつある。
この大学都市の計画では、“水の都”としての豊かな文化と伝統を踏襲し,学問と文化の中心として復活させることが必要であり、中心区はまさにその中心的シンボルとして位置付けられる。

発展と成長の象徴…無限に発展する道
新たな都市軸として“発展する道”を提案する。その形態は、無限や悠久を象徴する曲線の一部を取り出したもので、ダイナミックな躍動感だけでなく学問と文化の発展と成長を象徴し、無限の展開を体現するものである。
その“道”は、物理的・機能的に人々が集い、行き交う道であると同時に、学問や文化そのもの、あるいはそれを学び、研究しようとする人々にとってのさまざまな道程を象徴する道でもある。
“発展する道”は、宇宙をイメージし、自然を象徴する緑と生命の源である水を結ぶ道である。この緑と水は、水郷都市温州の歴史と伝統を表象するものでもあり、時間と空間の流れを超えて発展・成長する温州の未来を象徴するものとなる。