国際指名コンペ 一席入選

この都市の発展目標は、工業貿易、観光、港の 3点を一体にした現代的な中核都市をつくりあげることである。現在、行政サービス、文化娯楽・商業施設、住宅とその関連施設を備えた、新たな中心地区を形成する計画を進めている。今回のプログラムは、その中心地区の核心部分にあたる92haの敷地に、行政、文化娯楽及び商業施設の計画をするものであった。


エコ・リズム・シティ(ECOLOGICAL-RHYTHM-CITY)
この都市が、今後激しく押し寄せてくるであろう高度情報化や経済のグローバル化の波を乗り切り発展していくために必要なものは、都市そのものにパワーであろうと考えた。そのパワーを誘発するもの、それが都市の躍動のリズムである。また現在、都市を取り巻くもっとも大きな課題は環境問題であろう。このふたつを都市の機能として取り込んだエコ・リズム・シティの創出こそ、新しい都市の考え方としてふさわしい理念と考えている。

ダイナミック・ループ(DYNAMIC LOOP)
都市の躍動や、エネルギーを象徴するとともに、都市軸の中心がリズミカルに発展していく都市を体現するものとして、ダイナミック・ループを提案した。それは、中心軸の発展とともに連鎖状に連なってループを形成する。ダイナミック・ループは、都市の背骨でもあり、人工の尾根でもある。また、連鎖状に連なった中心部の諸機能の独立性を高めるとともに、それらを結合する役割を果たす。
中心軸の発展とともに、連鎖状に連なったループの発展の第一段階を取り出したものが、中心区核心部分におけるダイナミック・ループである。そしてそれは、二層構造の歩行者・自転車専用空間・園路であり、主要街路で分断された核心部分の各ブロックを立体的につなぐ役目をしている。

LEQING CTY HALL
この市庁舎は高層の群建築とし、市政機関の主用途の独立性と調和を表現している。
高層棟が乗る卵形をした人工地盤(ビッグ・エッグ)上は市民広場である。そしてその形状は、新しく生れる核心部分そのものを象徴するとともに、ネットワークと融和を表現している。また、地区の中央エリアとは立体歩廊で結ばれている。ビッグ・エッグに覆われた低層部は、高層棟への主要動線と、市民サービスセンター、そしてピロティ状の市民広場となっている。また、これらの上下の市民広場には緑と水が配置され、ビッグ・エッグにあけられたスリットにより一体感を出している。高層棟に設けられた議会場は、コミュニケーションや意志決定を表わすものとして、高層棟の外観に象徴的に表現した。その他の外観はシンプルなデザインにして、全体の調和を図っている。